明治新撰 萬国精図

番号 194
名前 明治新撰 萬国精図
読み めいじしんせん ばんこくせいずず
サイズ(cm) 86.0 x 60.1
彩色 銅版 手彩色
作者 後藤七郎右衛門
版元 風月正左衛門
作成日 明治19年9月29日
作成日 1886年
地域 世界
解説 明治時代には世界地図と日本地図が数多く民間から出版されるが、その特色としては銅版印刷によって極めて大量の情報が微細な文字で記されることと、輸入顔料の使用によって鮮やかな赤色や黄色の色彩を有すること、江戸時代の版元は廃れ新たに勃興した出版元から出されること、などが挙げられる。 日本を地図の中央に位置させることは独立国としての当然のことであるとともに、自己を中心に他国を位置づける方が地理認識の上では常識であるためであろう。また、図の上に万国旗をあしらうことは江戸時代の幕末開港期に作成された世界地図と同じく、世界地理の啓蒙を意図している。同様に、地図下部には世界の大都市10カ所とガンジス川の絵画描写を入れている(ロンドン、パリ、ワシントン、ベルリン、アムステルダム、ローマ、ペトルスブルク、シドニー、北京、イスファン、ガンジス川)。さらに赤道以南の太平洋には海上部分を利用して各大陸の高山を絵入りで比較紹介している。その左横には大河川の比較表もあり、ここでは北アメリカ大陸のミシシッピー川が世界最長の河川として紹介されている。1枚の世界地図に可能な限りの情報を詰め込もうとしており、近代日本国家の意気込みといったものまでが感じられる地図である。 タイトルの下にある付図は「大日本全国之図」ということで日本国図を挿入しているが、千島列島部分は着色されているものの、サハリン(樺太)は色なしの状態である。明治8年(1875)5月に調印された樺太・千島交換条約で、日露雑居地であった樺太をロシア領に、換わりにウルップ島以北の千島列島全島を日本領に定めたことが反映されている。本図の左下に作製者側の情報があるが、作製者の後藤七郎右衛門、出版者の風月正左衛門ならびに中村浅吉のすべてが京都在住者である。
要約 図の上に万国旗をあしらうことは江戸時代の幕末開港期に作成された世界地図と同じく、世界地理の啓蒙を意図している。同様に、地図下部には世界の大都市10カ所の絵画描写を入れ、さらに赤道以南の太平洋には各大陸の高山を絵入りで比較紹介し、その左横には大河川の比較表もある。一枚の世界地図に可能な限りの情報を詰め込もうとしている。タイトル下の付図「大日本全国之図」には、千島列島部分は着色されているものの、サハリン(樺太)は色なしの状態である。明治8年(1875)の樺太・千島交換条約で、日露雑居地であった樺太をロシア領に、換わりにウルップ島以北の千島列島全島が日本領と定められた。
キーワード 万国旗、世界地理の啓蒙、樺太・千島交換条約
参照 (項目なし)

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