和蘭新訳地球全図

番号 215
名前 和蘭新訳地球全図
読み おらんだしんやくちきゅうぜんず
サイズ(cm) 102.0 x 55.5
彩色 木版 手彩色
作者 橋本宗吉
版元 (項目なし)
作成日 寛政8年
作成日 1796年
地域 世界
解説 寛政8年(1796)に出版された蘭学系世界図の一つ。18世紀前半に洋書解禁や蘭学の発達によって新しく輸入されたヨーロッパ製の地図を典拠として、蘭学者によって製作された。図法としては、平射図法による両半球図が特徴である。この図法は、正積でも正角でもないが、半球図として形が比較的正しく表され、地球が球体であることの理解を一般に得やすいために、当時のヨーロッパの世界図に主に用いられ、江戸時代後半のわが国の世界図にも多くみられる。蘭学者による公刊世界図の最初は寛政4年(1792)の司馬江漢「地球全図」であるが、本図はそれに次ぐ位置を占める。先の「地球全図」が銅版としても最初であるのに対し、従来通りの木版である。作者の橋本宗吉(1766~1836)は、大坂の北堀江に在住した傘の紋書職人であったが、大坂町人で天文学者の間重富に才能を認められ、彼の援助で江戸に出て大槻玄沢の芝蘭堂で学び、オランダ語を習得したと言う。帰阪後に医師となり、医学書を訳して、後進も育てるなど、大坂における蘭学の開祖ともなった。描かれた世界の形態を見ると、その典拠となった世界図は不明ながら、両半球図の嚆矢である江漢図よりも古いと推定される。その根拠としては、1)カリフォルニア半島が細長い島として描かれている、2)オーストラリア大陸の西岸線が不分明になっている、などが挙げられ、17世紀後半から18世紀前半の世界図と考えられている。なお、和漢の文献に依拠した地誌的な記述を世界図の周りに配している点が大きな特徴で、これ1枚で多くの地理情報を得られるよう工夫されている。
要約 18世紀前半に洋書解禁や蘭学の発達により新しく輸入されたヨーロッパ製の地図を典拠に、蘭学者によって製作された蘭学系世界図の一つ。寛政8年(1796)刊行の本図は、蘭学者による最初の公刊世界図、司馬江漢「地球全図」に遅れること4年、それに次ぐ位置を占める。描かれた地図の典拠は、江漢図よりもかえって古いと推定される。その周りに、和漢の文献に依拠した地誌的な記述を配している点が特徴で、作者は橋本宗吉(1766~1836)。
キーワード 蘭学系世界図、司馬江漢、地球全図
参照 海野一隆『ちずのしわ』雄松堂出版(1985年)。海野一隆『東西地図文化交渉史研究』清文堂出版(2003年)。三好唯義・小野田一幸編『図説世界古地図コレクション』河出書房新社(1999年)。

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