改正地球万国全図

番号 281
名前 改正地球万国全図
読み かいせいちきゅうばんこくぜんず
サイズ(cm) 151.0 x 106.0
彩色 木版 色刷
作者 長久保赤水
版元 東都 山崎金兵衛 ・ 浪速 浅野弥兵衛
作成日 (項目なし)
作成日 (項目なし)
地域 世界
解説 本世界図は、イタリア生のイエズス会士、マテオ・リッチ(漢名は利瑪竇)の作で1602年に北京で出版された「坤輿萬国全図」の系統であり、マテオ・リッチ系世界図と総称されている。卵形図が特徴である。本世界図の作者、長久保赤水(せきすい)(1717~1801)は、水戸藩の儒者で、No.157「改正日本輿地路程全図」などの日本図や中国図など、数多くの地図を残している。この図は、天明8年(1788)頃に出版された「地球万国山海輿地全図説」の改訂版と見られ、初版の自序に加えて(図の左上)、右上には無署名の序文が添えられている。自序の冒頭には「地球万国山海輿地全図説」とあるのに対し、後者の序文冒頭では「山海輿地全図」と一部が省略されている。 自序の一部で図の由来を記した一文が、享保5年(1720)に刊行された原目貞清「輿地図」の題言と一致しているばかりか、両図を比較してみると、赤水図の図形や注記の多くが原目図に拠ると理解される。なお、作者の原目については不明な点が多い。 一方で、原目図との相違点として、日本の北辺部分が挙げられ、蝦夷島から千島列島に連なる部分が正しく描き改められている。天明5年(1785)から翌年にかけての最上徳内らによる蝦夷地調査の結果を反映させているからである。 さらに、初版の改訂版には無署名の序文が加えられたことは先述したが、桂川甫周とも言われている。この序文に「利氏帯来楕円輿地図、原図六幅」などとマテオ・リッチが言及されており、直接「坤輿萬国全図」を参照したらしい点も指摘できる。例えば、ヨーロッパの北方、北極海に浮かぶ「小人国」には「男女長止尺余」などと注記があるのに対し、原目図には注記が見られない。「地球万国山海輿地全図説」は、赤水の名声によって、その後幕末に至るまで、数多くの模倣版や剽窃版が出版された。その例として、No.214「地球万国山海輿地全図」などがある。
要約 マテオ・リッチの作で1602年に北京で出版された「坤輿萬国全図」の系統であり、マテオ・リッチ系世界図と総称されている。長久保赤水(1717~1801)による本世界図は、天明8年(1788)頃初版の「地球万国山海輿地全図説」に無署名の序文が加えられ、その改訂小型版と見られる。図の内容は、直接には享保5年(1720)に刊行された原目貞清「輿地図」に拠っているが、蝦夷地調査の結果が反映される等、独自の修正もある。
キーワード マテオ・リッチ系世界図、赤水世界図、地球万国山海輿地全図説、原目貞清、輿地図
参照 織田武雄・室賀信夫・海野一隆編『日本古地図大成 世界図編』講談社(1975年)。三好唯義・小野田一幸編『図説世界古地図コレクション』河出書房新社(1999年)。

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