東京名所一覧独案内

番号 289
名前 東京名所一覧独案内
読み とうきょうめいしょいちらんひとりあんない
サイズ(cm) 71.0 x 50.5
彩色 木版 色刷 
作者 一曜斎国輝
版元 蔦屋吉蔵
作成日 明治2年
作成日 1869年
地域 東京都
解説 作者一曜斎国輝(いちようさい くにてる)は浮世絵師三代歌川豊国の門人であり、二代歌川国輝を名乗る。明治7年(1874)に44歳で死去するまで、浮世絵や本図のような名所図を手掛けた。本図は隅田川左岸から見た東京を鳥瞰図的に色彩豊かに表現した絵図である。図の手前には大川橋・両国橋・新大橋・永代橋とともに墨田川が描かれ、東京湾に注いでいる。図の左側に描かれた東京湾岸には台場や多数の船、運上所・外国人居留地・ホテル館などが描かれ、明治初期の東京の様子を伝える。なお、ホテル館は、慶応3年(1687)頃幕府の命により築地居留地の設立に合わせて清水組によって設立された日本初のホテルで、現在の中央卸売市場立体駐車場付近にあたる。明治5年延焼により消失したため、ホテル館が描かれた本図は貴重といえる。絵図中赤く塗られた短冊には名所と地名、道路は黄土色で表され、それぞれの名所がどの道沿いにあるのか分かりやすいように工夫されている。東叡山や増上寺、神田明神などの寺社はやや大きな字で示され、特徴的な本堂・本殿が絵画的に表されている。同時代の絵図としては背景に富士山が描かれることが多いが本図には描かれておらず、また新吉原などの遊郭が名所として挙げられている点は特徴として挙げられる。 図の中心には旧江戸城が絵画的に描かれているが、特に名称は書かれていない。名所を一覧するという絵図の性格上、著名な寺社がどの通りにあるのか示すことに主眼がおかれ、この図から、明治初期の東京の名所と言えば寺社であったということがうかがわれる。 描かれた範囲は、江戸城を中心におよそ東は「木舟寺」から「渕崎弁天」、西は「王子稲荷」から「池上本門寺」で、現在の山手線の内側に下町の深川を加えた範囲である。
要約 江戸城を中心に現在の山手線内側と下町を描いた絵図である。富士山を描かずに、明治初期の東京市街地を鳥瞰図的に表現している。名所として神社・寺院を中心に、ホテル館、外国人居留地や遊郭などの建物に加え、人物・船・樹木なども色彩豊かに描いた東京案内図である。
キーワード 東京、鳥瞰図、明治初期
参照 (項目なし)

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