古地図コレクショントップページ >  震災地応急測図原図

震災地応急測図原図



震災地応急測図原図について


1923(大正12)年9月1日、相模湾北部の海底を震源とするM7.9の地震(関東大震災)が発生し、現在の東京都、神奈川県を中心に関東地方に甚大な被害をもたらしました。国土地理院の前身機関である陸地測量部は、発災直後(9月6日〜15日)に現地調査を行い、関東大震災の被害状況を記載した「震災地応急測図原図」を作成し、今日まで国土地理院において保管されています。


この地図は、東京市の区部及び周辺郡部について、@焼失区域、A倒壊家屋又は損壊地物、B避難所及び人員等を調査してその結果を1万分1地形図19枚に図示しています。また、主要道路・鉄道の被害、集落の被害及び地形の変状等を把握するため、東海道をはじめとする関東地方の主な街道を踏査するとともに、街道沿いの郡役所・町村役場等で聞き取り調査を行い、その結果を2万分1地形図7枚、5万分1地形図28枚、20万分1帝国図2枚に取りまとめています。


なお、一部の図は秘区域のため調査地図としては使用できませんでした(これを「秘図」といいます)。そのため、この秘図から海岸線・河川、主要道路、鉄道及び集落や地名を和紙に写し取ったものを基図として現地調査を行い、「写図」6枚を作成しました。


震災後、2週間という非常に短期間で作成した現在の“災害現況図”の先駆けである「震災地応急測図原図」をぜひご覧ください。


【参考文献】

・『地図にみる関東大震災』国土地理院(2008年)

・中央防災会議 災害教訓の継承に関する専門調査会編『1923関東大震災報告書』内閣府(2006年)