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番号 | 159 |
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名前 | 富士見十三州輿地全図 |
読み | ふじみじゅうさんしゅうよちぜんず |
サイズ(cm) | 175.0 x 157.8 |
彩色 | 木版 色刷 |
作者 | 秋山永年 墨仙誌 |
版元 | 衆星堂 蔵 |
作成日(和暦) | 天保13年 |
作成日(西暦) | 1842年 |
地域 | 関東東海地方 |
解説 | タイトルの「富士見十三州」とは、富士山の見える13ヶ国という意味である。その13ヶ国は、武蔵、安房、上総、下総、常陸、上野、下野、相模、駿河、甲斐、伊豆、信濃、遠江である。関東一円図と言ってよいだろう。江戸時代後期には富士登山の流行をはじめ、絵画にも特によく描かれるようになり、人々にとってその存在は特別なものとなっていた。地図も道中図や江戸の町図など、いろいろな目的にあわせて出版されていたが、富士山が見える国というテーマで作成されたことは興味深い。それだけ人々からの要望があったということだろう。さらに、その見える国ごと単独で刊行諸国図も出るので、江戸時代後半には各地の地理情報が人々に求められていたことが判る。 図中の富士山は真上から見た様子、つまり平面図で描かれている。この富士山平面図というのは、江戸時代に作成された地図の中でも特異な存在である。本図は、広範囲の国々を描くため、何枚もの版木から印刷された部分図をつなぎ合わせ、きわめて大型の木版図となっている。多くの地名が書かれるが、凡例を見ると国名や道路の他、神社や温泉、関所などといった重要かつ関心を呼ぶような場所は記号付きで記入されている。この図は人気があったようで、この天保版に加え安政期頃にも再版されている。作者の秋山永年は江戸に住み、嘉永6年(1853)に没したといわれる。この図の序文には幼い頃より地理を好むと記しており、地理や地図に詳しい人物であったのだろう。おそらく既存の地図を集め、それらを纏めて本図を作成したのだろう。 |
要約 | 富士山が見える13州(武蔵、安房、上総、下総、常陸、上野、下野、相模、駿河、甲斐、伊豆、信濃、遠江)を1枚の地図に仕立てたもの。図中の富士山は真上から見た様子、つまり平面図で描かれている。この富士山平面図というのは、江戸時代に作成された地図の中でも特異である。多くの地名が書かれ、凡例を見ると国名や道路の他、神社や温泉、関所といった重要かつ関心を呼ぶような地点は記号付きで記入されている。 |
キーワード | 富士山、十三州、平面図 |
参照 | 長岡正利「国土地理院所蔵地図史料展観Ⅶ 冨士見十三州輿地全圖」国土地理院広報、第326号(1995年)。 |