大正十二年関東震災地垂直変動要図

番号 1990
名前 大正十二年関東震災地垂直変動要図
読み たいしょうじゅうにねんかんとうしんさいちすいちょくへんどうようず
サイズ(cm) 98.8 x 89.6
彩色 色刷
作者 陸地測量部
版元 (項目なし)
作成日(和暦) 昭和5年
作成日(西暦) 1930年
地域 関東地方
解説 大正12年(1923年)9月1日に起こった関東大地震は、マグニチュード7.9のまれに見る大地震であった。神奈川県、東京都とその周辺地域に断層、地割れ、局部的な土地の隆起、沈降、地下水位の変化等が著しく、家屋の倒壊など多くの被害があった。そのため陸地測量部は、破損または亡失した三角点の復旧と、地震による変動量を求めるため、関東一円にわたる三角測量及び水準測量を行なった。この図は、水準点及び三角点における地震前後の標高の比較から得られた各地の上下変動を、地図に色分けして示したものである。 上下変動には以下の特徴が見られる。 (1) 最大隆起を生じた陸上地域は房総南端および神奈川県国府津付近で、2m近い隆起を示し, この2点を結ぶ線より北側に向かって隆起量はゆるやかに減少し、やがて房総半島北部、東京都およびその北部地域は沈下地域になっている。 (2) 一方、真鶴、箱根より南西部は伊豆半島全域を含んで沈下地帯であるが、伊豆半島の変動量は10cm程度で安定であったと見られる。 (3) 神奈川県の丹沢山から高尾山にかけて大きな沈下地帯が見られ、沈下量も最大-160cmに達している。この付近の変動量は、水準測量でなく三角測量による値であるが、三角測量による標高の観測精度は±10cm程度であるから、この沈下量は充分有意義な値と見られる。
要約 大正12年(1923年)9月1日に起こった関東大地震の後、陸地測量部は破損または亡失した三角点の復旧と、地震による変動量を求めるため、関東一円にわたる三角測量及び水準測量を行なった。この図は、水準点及び三角点における地震前後の標高の比較から得られた各地の上下変動を、地図に色分けして示したものである。
キーワード 陸地測量部、関東大震災、地殻変動
参照 測量・地図百年史編集委員会(1970):測量・地図百年史,国土地理院技術資料 A・1-No.8,144-149. 田島稔(1970):最近の関東南部における地殻活動,地学雑誌,79,3,25-36.

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