御開港横浜大絵図 完

番号 216
名前 御開港横浜大絵図 完
読み ごかいこうよこはまおおえず かん
サイズ(cm) 188.0 x 67.5
彩色 木版 色刷
作者 橋本玉蘭斎
版元 丸屋徳造
作成日(和暦) 安政6年
作成日(西暦) 1859年
地域 神奈川県 横浜
解説 橋本玉蘭斎は幕末から明治前期に活躍した絵師であり、五雲亭貞秀とも名乗った。東海道五十三次の鳥瞰図で知られるが、玉蘭斎は京・大阪・長崎なども描き、なかでも横浜の鳥瞰図は人気を博し、版を重ねた。本図もその一つである。「御開港横濱之全図」は、万延元年(1860)に江戸馬喰町の丸屋徳蔵から刊行されたとされる。文久元年の再版本と類似している。図の手前の子安村から横浜を鳥瞰し、江戸方面から東海道を横浜へと向かい、右上には富士山、左上には房総半島の富津岬を描く。図の中央には堀に囲まれた横浜開港場が配置され、二つの突き出した波止場(右=江戸ヨリ荷物船積水揚場、左=外国人荷物船積水揚場)の間に御運上屋鋪、波止場の左側は外国人居留地、右側は日本人居住地である。日本人居住地の右端には弁天社ならびに象の鼻と呼ばれた砂州が描かれている。湾内には、通商条約を結んだ5か国を示すように、左からフランス・ロシア・イギリス・日本、アメリカ・オランダ・日本・日本と帆船が並ぶ。なお、本図では横浜開港場の奥半分は未だ水田として描かれているが、慶応3年(1867)の増補再刻版では外国人居留地の拡大がみられる。本図は図中に数字、欄外に以下の書き込みがある。図中の数字と欄外の注記は対応しており、外国人が購入して注記書きを入れたのではないかと考えられる。以下はその注記である。1.Entrence to the Harber 2.English Camp 3.French Barracks 4.Europian Resident 5.Japanese Town 6.Swamp 7.Di-a-Boots(village) 8.Exicution ground 9.Fusiama (富士山を示す) 10.Japanese men of war 11.Japanese Junks 12.Harber。
要約 橋本玉蘭斎が描いた開港間もない横浜の鳥瞰図である。図の手前の子安村から横浜を鳥瞰し、右上には富士山、左上には房総半島の富津岬を描きこんでいる。図の中央には堀に囲まれた横浜開港場が配置され、二つの突き出した波止場の間に運上所、波止場の左側は外国人居留地、右側は日本人居住地である。本図を購入した外国人によって、図中に12の数字が記載され、対応して図下の欄外に英語で注記が書き込まれた点に特色がある。
キーワード 横浜、橋本玉蘭斎、鳥瞰図、幕末
参照 三好唯義「貞秀=玉蘭斎ノート—地図および地図的作品への手がかりとして—」神戸市立博物館研究紀要、15号(1999年)。豊橋市二川宿本陣資料館『空から見た東海道—五雲亭貞秀—』豊橋市(2003年)。

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