日本図

番号 228
名前 日本図
読み にほんず
サイズ(cm) 55.5 x 46.3
彩色 銅版 手彩色
作者 メルカトール・ホンディウス
版元 (項目なし)
作成日(和暦) (項目なし)
作成日(西暦) 1606年
地域 日本、朝鮮半島
解説 原図は、いわゆるテイセラ日本図である。スペイン王室の地図製作者、オルテリウスが、ポルトガルのイエズス会士で数学者のルイス・テイセラから1592年2月20日に手紙とともに受け取った。オルテリウスは、これを彼が出版してきた世界地図帳『地球の舞台』の1595年改訂版に載せたのである。例えば、オルテリウス地図帳の1570年初版本に載せられた世界図では、日本列島がメルカトル型と分類される誤った形に表現されていた。これら西洋製日本地図の群を抜く、画期的な精度で描かれている。ヨーロッパで日本のみを単独に表した日本図の嚆矢でもある。1585年に全世界の地図を集めて出版したジェラルド・メルカトルは、アトラスの名にちなんでアトラス(地図帳)と名付けた。このアトラスとは、タイトルページに載せられた図に拠れば、ギリシア神話の巨人と解説されるのは明らかな誤りで、正しくは、哲学者であり、かつ数学者・天文学者で、世界で最初に天球儀と地球儀を製作したというリビアの伝説的な王である。メルカトルの死後、原版を手に入れたヨドクス・ホンディウスは、1606年に新版地図帳を出版し、この際に付け加えられた日本図が本図である。原図とされた1595年版テイセラとの違いは、上に配置されたタイトル(やや右にずらされている)、右下の縮尺の他、九州の西方の海上に浮かんでいた帆船が海獣に代えられるなど、若干の変更に留まり、地図自体に盛られた内容は、ほぼ踏襲されている。但し、朝鮮については、これが島であるか大陸の一部であるか、未だ解明されていないという説明を書き加えている。
要約 原図は、オルテリウスがテイセラから入手した図を、彼が出版してきた世界地図帳『地球の舞台』の1595年改訂版に載せたテイセラ日本図である。ヨーロッパで日本のみを単独に表した日本図の嚆矢でもある。一方、メルカトルにより1585年に出版された世界地図帳の原版を入手したホンディウスは、1606年に新版地図帳を出版した。この際に付け加えられた日本図が本図である。内容は、原図とされた1595年版テイセラ図とほぼ同じ。
キーワード テイセラ、オルテリウス、地球の舞台、メルカトル、ホンディウス
参照 織田武雄『古地図の博物誌』古今書院(1998年)。長岡正利「国土地理院所蔵地図史料展観XⅧ メルカトル・ホンディウス編『アトラス』より日本図」国土地理院広報、第338号(1996年)。三好唯義・小野田一幸編『図説日本古地図コレクション』河出書房新社(2004年)。OAG・ドイツ東洋文化研究協会編『西洋人の描いた日本地図-ジパングからシーボルトまで-図録』OAG・ドイツ東洋文化研究協会(1993年)。

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