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番号 | 229 |
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名前 | 銅刻 日本六十六州図 |
読み | どうこく にほんろくじゅうろくしゅうず |
サイズ(cm) | 63.5 x 52.5 |
彩色 | 銅版 手彩色 |
作者 | レランド |
版元 | オッテンス |
作成日(和暦) | (項目なし) |
作成日(西暦) | 1720年頃 |
地域 | 日本 |
解説 | A.レランド(1676~1718年)はオランダユトレヒトの東洋学者。表題には「日本の原図からハドリアン・レランドが作図した66カ国別の日本帝国」とある。原図とは元禄4年に初版が出て、それ以後に版を重ねた石川流宣作日本図の一枚であり、そこから生まれた海賊版である。町中で一般に流布していた地図は、簡単に入手でき海外に持ち出せたようだ。図中には漢字表記が見られるが、おそらくヨーロッパの地図に初めて出現した漢字地名だろう。レランドの日本図はユトレヒトの出版業者ブリュデレットによって1715年に刊行されるが、その銅版原版はオッテンス社はじめ、アウグスブルクのゾイッターといった他の印刷業者の手に渡り、数多くの再版図を生み出した。18世紀の前半には日欧で同じ日本図が見られていたことになる。本図はオッテンス社による再版図で、1720年頃に刊行されたものと思われる。この図には漢字地名はもちろん、城下町がその規模に応じて記号化されており、その他の町なども○記号で示され地名が記載されているものもある。その地名のほとんどは、オランダ商館長が江戸参府をする旅程に関係する。つまり、佐賀、小倉、下関や兵庫、淀、伏見、東海道の宿場や城下町である。特に大井川を挟んで金屋と島田が対し、また江戸には「日本の将軍のいる所」という注記があり、日本に関する情報と知識の高さを示している。図中に描かれる山並みの表現・描写などは原図である石川流宣作日本図よりも秀でており、漢字の字体も見事である。地図の右下には長崎付近図と、その海域の水路に沿って推進が記され、その長崎図の上には三つ葉葵を前にした人物が描かれているが、江戸の徳川家つまり将軍を示しているのであろう。 |
要約 | 表題には「日本の原図からハドリアン・レランドが作図した66カ国別の日本帝国」とある。原図とは元禄4年に初版が出て、それ以後に版を重ねた石川流宣作日本図の一枚であり、そこから生まれた海賊版で、さらにオッテンス社によって1720年頃に再刊行されたものと思われる。漢字地名の字体は見事で、城下町が記号化され、その他の町なども○記号で示されている。その地名のほとんどは、オランダ商館長が江戸参府をする旅程に関係している。長崎付近図の上には三つ葉葵を前にした人物が描かれているが、江戸の徳川家つまり将軍を示しているのであろう。 |
キーワード | 石川流宣作日本図、漢字地名、オランダ商館長、江戸参府、長崎図、三つ葉葵 |
参照 | 神戸市立博物館編『古地図セレクション』神戸市立博物館(1994年)。OAG・ドイツ東洋文化研究協会編『西洋人の描いた日本地図-ジパングからシーボルトまで-図録』OAG・ドイツ東洋文化研究協会(1993年)。 |