八溝嶺神社之景

番号 274
名前 八溝嶺神社之景
読み やみぞねじんじゃのけい
サイズ(cm) 50.0 x 37.8
彩色 銅版
作者 (項目なし)
版元 光彰館
作成日(和暦) 明治37年
作成日(西暦) 1904年
地域 茨城県・福島県・栃木県県境
解説 明治期に発行された八溝嶺神社を描いた銅版印刷画である。八溝嶺神社の境内だけではなく,その参道から山頂の境内までを八溝山内の名所も合わせ描く。八溝山(やみぞさん)は,茨城県,福島県,栃木県の境に位置する山である。古くから山岳信仰が盛んで,山域は修験道の修行の場であった。八溝嶺神社はその山頂にあり,山王・二荒社を祀った神社である。近世には八溝山と麓の郷村446か村の総鎮守として人々の崇拝を集めた。八溝嶺神社の中腹標高840mの位置には,坂東21番札所として賑わった日輪寺がある。本図は,右下に参道入り口とみられる鳥居と石碑群を配し,上に八溝嶺神社を配する形で,参道を含めた八溝嶺神社の姿を茨城県側から描いている。山内の名所として描かれているものは,八溝の峰々,渓谷,散在する水源や滝など自然景観が多い。徳川光圀は大子地方を巡見した際,八溝山に登り,その眺望を楽しみ,名勝を訪ね,いくつかの湧水について自ら命名したと伝えられている。現在,日本の水100選にも選ばれている湧水である金性水,竜毛水,白毛水に鉄水と黄金水を加えた5水が記されている。また,所々に雲を配し,その内側に八溝嶺神社の縁起や歴史,宝物,山内の名所などを記す。日輪寺の名称は記されていないが,これは明治13年に山火事で御堂が消失したためであろう。由緒や縁起などを記した高梨壽貞は社司である。版元である光彰館は№273「松村山虚空蔵堂之景」も発行しており,この手の図を複数発行していたのではないかと思われる。
要約 明治期に発行された八溝嶺神社を描いた銅板印刷画。八溝嶺神社の境内だけではなく,その参道から山頂の境内までを八溝山内の名所も合わせつつ描いている。八溝山は,茨城県,福島県,栃木県の境に位置する山であり,八溝嶺神社はその山頂にある。本図に山内の名所として八溝の峰々,谷々,散在する水源や滝が描かれている。
キーワード 光彰館、八溝嶺神社、明治37年、八溝山、銅版
参照 大子町史編さん委員会『大子町史 通史編 上巻』大子町(1988年)。

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