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番号 | 290 |
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名前 | 武蔵国全図 |
読み | むさしのくにぜんず |
サイズ(cm) | 127.0 x 111.0 |
彩色 | 木版 色刷 |
作者 | 橋本玉蘭斎 |
版元 | 菊池修蔵 |
作成日(和暦) | 安政3年 |
作成日(西暦) | 1856年 |
地域 | 東京都 |
解説 | 江戸時代の後期から末期、つまり19世紀前半から中頃に国別の地図(現在の分県地図にあたる)が多数出版される。この図は南西方向を上にした武蔵国(現東京都)の図で、多色刷りの美しい刊行国絵図である。図の右側に図名「武蔵国全図」と記される。図の左端に本図の凡例を配置し、図中の記号を掲げている。左下隅にある四角枠には、安政3年(1856)に刊行されたこと、作者菊池修蔵と図を描いた橋本玉蘭斎の名前、続いて本図に関わった版元の名前が列記されている。またその横には「官許」の文字があることから、出版物として正式に許可を得たものであることをうたっている。地図には村名はじめ多数の地名や道筋が記されるが、さらにそのまわりには四角枠でおびただしい文字情報を記している。それらは武蔵国の沿革や郡名、神社仏閣、名所旧跡とそれにまつわる和歌、土産などが記されており、この一枚の地図に地誌情報を満載し、武蔵国全体の地理と歴史を紹介している。左下隅にある四角枠の最後には、東都(江戸)書林が13名も名前を連ねており、その最後が馬喰町二丁目の菊屋幸三郎である。菊屋は彼自身が中心となり、関東一円の国図の出版を多くの版元と共に手がけていることでユニークな存在である。また、鶴峰彦一郎(戊申)(しげのぶ)のような和漢洋の学問に通じた学者や、地図を多く描いた橋本玉蘭斎(浮世絵師の五雲亭貞秀)などを採用するなど、いわば地図専門出版者としての性格も持つ。 |
要約 | この図は南西方向を上にした武蔵国(現東京都)の図で、多色刷りの美しい刊行国絵図である。安政3年(1856)に刊行された。地図には村名はじめ多数の地名や道筋が記される。さらにそのまわりには四角枠でおびただしい地誌情報を記している。それらは武蔵国の沿革や郡名、神社仏閣、名所旧跡などが記されている。左下隅には東都(江戸)書林がずらりと13名も名前を連ねており、その最後が菊屋幸三郎である。 |
キーワード | 刊行国絵図、地誌情報、菊屋幸三郎 |
参照 | 三好唯義「近世刊行国絵図の書誌的検討」(葛川絵図研究会編『絵図のコスモロジー 上巻』地人書房、1988年)206-225頁。 |