近江国図

番号 54
名前 近江国図
読み おうみのくにず
サイズ(cm) 113.9 x 66.5
彩色 手書 手彩色
作者 (項目なし)
版元 (項目なし)
作成日(和暦) (項目なし)
作成日(西暦) (項目なし)
地域 滋賀県
解説 本図は、近江国全域を描いた手書きの国絵図である。内題の記載はなく、図中に「自大津道程」、「鳥居本ヨリ北国海道」、「草津ヨリ中仙道」、「土山ヨリ北国海道」、「彦根ヨリ舟路」の里程、左下には「名物土産と名所旧跡」の一覧が記され、いわゆる刊行国絵図を写したものと考えられる。琵琶湖沿岸と河川は水色で彩色し、道は大道と小道に分けて朱線を引き、大道には一里山を朱丸二つで示している。郡界は太い墨線で示され、緑色や赤色で郡境の縁のみが塗られている。国境周辺の地名表記も豊富である。本図の特色は墨書の付箋が数多く貼られている点である。「○○ト合セテ○○村」との記載をもとに、その合併年をいくつか調べると、村名に×印をして朱筆訂正(愛知川流域の大門村を長野村ト改ムなど)した箇所が数点みられるが、この朱筆よりも墨書の付箋の方が新しいと判断することができる。今津南方の四津川・青柳は、輯製20万分の1の地名表記に反映されており、明治19年(1886)輯製20万分の1作成のための地名確認などに利用された可能性がある。墨書の付箋は琵琶湖沿岸の村落に数多く貼られている。坂本から反時計回りにいくつか例を示そう。坂本近くでは「上坂本高畑ノ両村ヲ合セテ坂本村」、膳所近くでは「別保中荘膳所ノ三村ヲ合セテ粟津村」、守山近くでは「杉江村杉江村新田ヲ合セテ杉江村」、近江八幡近くでは「上下慈恩寺村ヲ合セテ慈恩寺村」、愛知川河口部では「稲葉村ノ内上稲葉村下稲葉村ト分称ス」や「五僧田村筒井村安田村泉村寺村妙薬寺中澤村島村ヲ合セテ日夏村」、彦根城近くでは「古澤村澤町村北新町石ケ崎姫袋村山本ヲ合セテ古澤村」、長浜近くでは「宮川村下司村ヲ合セテ宮司村」や「乾村辰巳村ヲ合セテ山階村」、木本村は「南木ノ本村北木ノ本村廣瀬木ノ本村ヲ合セテ木ノ本村」、「東万木村島村ヲ改メテ青柳村」、大溝町には「大溝町 石垣村打下村ヲ合セテ勝野村」と、村の合併に関する記載である。
要約 本図は、余白などに里程や名所旧跡などが記載されており、観光客のために刊行された近江国絵図の写しと考えられる。琵琶湖沿岸の村落には、墨書の付箋が数多く貼られている。これらは明治初期の村々の合併を記しており、明治19年(1886)輯製20万分の1作成のための地名確認などに利用された可能性がある。
キーワード 近江国、刊行国絵図、輯製20万分の1
参照 (項目なし)

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