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番号 | 72 |
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名前 | 石見国図 |
読み | いわみのくにず |
サイズ(cm) | 51.2 x 36.3 |
彩色 | 手書 手彩色 |
作者 | 厳卿 |
版元 | 小森氏 蔵図 |
作成日(和暦) | 安政丙辰4月(安政3年) |
作成日(西暦) | 1856年 |
地域 | 島根県 |
解説 | 石見国を描いた小型の簡略な手書き国絵図である。内題は「石見國輿地図」。余白には小森氏の蔵図を厳卿が安政3年(1856)に写したものであることが余白に記されている。厳卿および小森氏についての詳細は不明である。 本図では,街道を朱線,郡界線を墨線で引き,河川や海辺は青,城下や銀山,一部の村は薄い赤で彩色している。城下町である津和野・濱田,銀を産出する石見銀山は,着色した方形の内部に名称が記されている。村は小判型の村形で表され,村形内に村名を記載しているが,村高の記載はない。また,石見国一国の石高も記載されていないため,本図がいつ頃の景観を描いているのかを推定するためには描かれた内容を詳細に検討することが必要である。 本図で注目されるのは,城下町・銀山以外に西村・宅野・鳥井などの16ヶ村の村形が着色されていることである。さらに,着色された城下町と村形のうち津和野・青原・本廣田・益田・長濱に小さな黒丸が付されており,何らかの意図を窺うことができる。また,文字注記では一部の村に枝村の記載があるほか,余白に「波子村久代村長久村ノ間唐鐘浦ト言フ此浦ニ畳ノ如キナル奇石アリ畳浦トモ床浦トモ云フ」,「伊耳神社アリ川ヲ伊耳川ト云フ」などの考証ともみられる記載がある。なお,石見銀山については、着色された方形の中に「銀山」とあるのみである。 |
要約 | 石見国を描いた小型の簡略な手書き国絵図である。内題は「石見國輿地図」。余白には小森氏の蔵図を厳卿が安政3年(1856)に写したものであることが余白に記されている。厳卿および小森氏についての詳細は不明である。城下町・銀山以外に西村・宅野・鳥井など16ヶ村の村形が着色されている。さらに,着色された城下町と村形のうち津和野・青原・本廣田・益田・長濱に小さな黒丸が付されており,作成者の意図をうかがうことができる。また,文字注記では考証ともみられる記載がある。 |
キーワード | 石見国、国絵図、安政3年、厳卿、小森氏 |
参照 | 歴史地理学会島根大会実行委員会図録編集委員会『絵図でたどる島根の歴史』島根県立博物館(2004年)。国絵図研究会編『国絵図の世界』柏書房(2005年)。 |