韃靼図

番号 178
名前 韃靼図
読み だったんず
サイズ(cm) 52.4 x 40.8
彩色 銅版 手彩色
作者 オルテリウス
版元 (項目なし)
作成日 (項目なし)
作成日 1595年頃
地域 アジア大陸北東部
解説 右上の豪華なカルトーシュ(飾り枠)には「タルタリアまたは大汗国図」と本図のタイトルが書かれている。タルタリア(韃靼)とは、アジア大陸の東北部地域を指す。本図にはカスピ海以東の中央アジア、シベリア、中国、北東アジア地域とアニアン海峡(現ベーリング海峡)をはさんで、北米大陸の一部が描かれている。ベーリング海峡はこの当時には確認されておらず、アニアン海峡は地図作製者の想像の産物である。日本列島の姿は、ポルトガル人地図作家ヴェリュが1560年代に描いた日本図に基づくもので、四国に土佐が記されるが、その地名は早くにヨーロッパに知られていた。さらに板東、大坂、都、山口、豊後、鹿児島などの地名が記される。また日本列島の南側の海上には次のような注記があり、詳細な情報を基にしていることが判る。「ヤーパン島、ヴェネティアのマルコ・ポーロにはジパングリと呼ばれる。かつてのクリュセ(黄金)島。その昔大汗が侵略を試みたが、無駄に終わった」本図は、アブラハム・オルテリウスの「世界の舞台」という世界地図帳に含まれる1図である。「世界の舞台」は近代地図帳の嚆矢とも呼ばれ、初版本は1570年に世に出る。当時最新最良の地図を集めて1冊本に仕立てたもので、大人気を博し各国語に訳され、1612年までに40版以上が出版されたといわれる。その内の1冊は、天正遣欧使節の土産品として日本に持ち帰られたことが史料に記されている。しかも「世界の舞台」は、新しい情報や地図が手にはいると旧来の本にそれらを加えて出版するため、版を重ねる度にページ数が増えていくというものであった。よって、本図も1570年初版本から17世紀初めまでのすべての本に含まれることとなった。「世界の舞台」には様々な日本列島の地図が紹介されるが、16世紀の日本では印刷された地図は存在せず、ヨーロッパの人びとの方が日本の姿を地図上で普通に見ていたことになる。
要約 右上の豪華なカルトーシュ(飾り枠)には「タルタリアまたは大汗国図」とタイトルが書かれている。タルタリア(韃靼)とは、アジア大陸の東北部地域を指す。本図にはカスピ海以東の中央アジア、シベリア、中国、北東アジア地域とアニアン海峡(現ベーリング海峡)をはさんで、北米大陸の一部が描かれている。日本列島の南側の海上には次のような注記があり、詳細な情報を基にしていることが判る。「ヤーパン島、ヴェネティアのマルコ・ポーロにはジパングリと呼ばれる。かつてのクリュセ(黄金)島。その昔大汗が侵略を試みたが、無駄に終わった」
キーワード アニアン海峡、世界の舞台、ポルトガル人、地図作家のヴェリュ
参照 大西英文・長谷川孝治翻訳解説『オルテリウス世界の舞台(上)(下)』神戸市外国語大学外国語研究ⅩⅩⅤ(1992年)、ⅩⅩⅥ(1993年)。織田武雄『地図の歴史』講談社(1973年)。長岡正利「国土地理院所蔵地図史料展観Ⅹ タルタリア図(韃靼図)」国土地理院広報、第329号(1995年)。

ページ上部へ