日本海山潮陸図

番号 288
名前 日本海山潮陸図
読み にほんかいさんちょうりくず
サイズ(cm) 170.0 x 97.2
彩色 木版 手彩色
作者 石川流宣
版元 相模屋太兵衛
作成日 元禄4年
作成日 1691年
地域 日本
解説 No.306の「本朝図鑑綱目」を大判化し、増補改訂した版である。元禄4年(1691)の初版以来、明和10年(1773)まで30に近い版が今日知られ、安永8年(1779)刊行の長久保赤水による「改正日本輿地路程全図」が登場するまで、日本総図としてベストセラーの地位を長く保った。本絵図は、その初版本であり、手彩色になる色の残りも鮮やかな良本と評価される。さらに、左下に配置された潮夕干満の早見図が、回転させられる原状の状態で残っているのも珍しい。折本で保管され、それを入れる帙の題箋は後世に付けられたと思われるが、「日本海山潮陸図」の表題とともに、「元禄四年刊上本、昼夜ノ長短ノ仕掛」とメモされている通りである。なお、本絵図の版元である江戸油屋町の相模屋太兵衛が、前作、「本朝図鑑綱目」の初版を刊行したことでも知られる点は、No.306の解説で述べた通りである。そして、その後、版元は、18世紀初頭に山口屋権兵衛、享保15年(1730)版の平野屋善六を経て、18世紀半ばには出雲寺和泉掾と変わり、図名も、「日本山海図道大全」、「大日本国大絵図」などと改題を重ねた。武鑑一覧の役割や道中案内図的要素は、元となった「本朝図鑑綱目」の時点から持っているが、地図に記載された情報はすっきりと整理され、読みとりやすくなっている。一方で、名所や諸国一ノ宮などを盛り込むなど、情報量もなお加えている。日本図としての内容を見ると、図形の正確さは無視されている点は、前作と変わらない。すなわち、海岸線の屈曲は実際以上に大きく、東北地方は狭く描かれている。山・海の波なども、より絵画的に表現されている。凡例では、大きな正方形を城とし、小さな正方形は「小城」、丸印は「屋敷城」としている。さらに、楕円形は、東海道の宿駅であり、小さな丸は、中仙道・北陸道・木曽路の小村等とし、いずれにも道法を付けていると注記している。
要約 No.306の「本朝図鑑綱目」を大判化し、増補改訂した日本図。元禄4年(1691)の初版本である。それ以来、明和10年(1773)まで30に近い版が今日知られる。本絵図の版元は相模屋太兵衛であるが、版権が人手に渡り、かつ図名も変更を重ねながら、日本総図としてベストセラーの地位を長く保った。元となった「本朝図鑑綱目」の時点から持っていた武鑑一覧の役割や道中案内図的要素は、整理され、読みとりやすくなっている。
キーワード 本朝図鑑綱目、日本総図、武鑑一覧、道中案内図
参照 三好唯義・小野田一幸編『図説日本古地図コレクション』河出書房新社(2004年)。山下和正『地図で読む江戸時代』柏書房(1998年)。

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